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  全国会長挨拶   
会 長  山浦 朝日

本日ここに、全国公立学校代議員会秋田大会を開催するにあたり、 秋田県教育委員会教育長様、秋田市教育委員会教育長様をはじめとして、多くの御来賓の方々にご来駕頂く機会を得ました。ご厚情・ご支援に、心より厚く御礼申し上げます。
 さて、毎年5月に開催される代議員会は、各都県支部の活動状況を報告し合い、今後の活動計画を立てるとともに、会則第3条の精神を再確認して、全国公立学校退職教頭会が、初心に立ちかえる場であると考えています。
 今回の秋田大会においては、この会則第3条の精神を、『全国公立学校退職教頭会の願い』というより具体的な、いわば、活動の道しるべともなるべき宣言として、採択したいと願っています。この『願い』を理解していただければ、必ず、共感を得られるものと思います。『退職教頭・副校長の願い』を実現するために、教育者としての余生を生き抜くことを考えて欲しいと思っています。
 ただし、退職した身ですので、無理は禁物です。
    それぞれの会員が、
    今、置かれている場所で、
    それぞれが出来る時間を見つけて、
    残された力で、出来る限りの範囲で、
かつての経験で得た「知見」を生かし、己の思うところを発信をしたり、実践しようと努力する『生涯現投の心』を発揮して頂きたいと思っています。
 各都県の代表者が集まっている本秋田大会では、過去一年の間に、各都県の支部活動や会員個人の活動がどのようなものであったかを交流し、お互いに、得るものがあったと言える機会にいたしましょう。
 組織としては、会員の高齢化や入会者の減少傾向などの重い課題をかかえていますが、代議員会の討議を基盤として、活動の充実と組織発展・充実の方向を目指せるよう、会長として、尽力する所存です。
 本日の代議員会秋田大会が、ここに出席された一人ひとりにとって、また、全国すべての会員にとって、実り多い会になることを祈念して、あいさつといたします。


 秋田県教育委員会教育長挨拶 代読:生涯学習課長

 全国からたくさんの皆様をお迎えし、令和元年度全国公立学校退職教頭会代議員会秋田大会が盛大に開催されますことを、心よりお祝い申し上げます。
 また、皆様におかれましては、全国各地において、子どもたちの健やかな成長と幸せを願い、教育支援活動に熱心に取り組まれておりますことに、深く敬意を表します。
 さて、秋田県では人口減少、少子高齢化等が進んでおり、地域コミュニティの希薄化や貧困と格差の問題等が顕在化するなど、予想以上のスピードで地域社会は変化しております。そのような中で、学校現場では学校の統廃合、不登校児童生徒への対応、部活動の見直し、教員の多忙化への対応等、抱える問題は複雑化・困難化しております。
 こうした中、秋田県教育委員会では、「豊かな人間性を育む学校教育」の目標の下、目指す教育の姿を「ふるさとを愛し、社会を支える自覚と高い志にあふれる人づくり」とした「第二期あきたの教育振興に関する基本計画」を策定し、県民総がかりで「教育立県あきた」の実現を目指しております。本県の子どもたちは全国学力・学習状況調査の結果が、全国トップクラスであるという状況が続いております。これは教員による不断の授業改善と、「問いを発する子どもの育成」を目指した「秋田の探求型授業」を展開する教員の力量によるものと捉えており、秋田県教育委員会としても、今後も継続して授業力向上に努めて参りたいと考えております。
 秋田県公立小・中学校退職教頭会では、教育支援活動として、「いじめ・不登校への対応」及び「経済的に厳しい環境で育つ子どもへの対応」にご尽力されていると聞いております。
 児童生徒が学校に復帰できることを願っての相談活動は、長年にわたる継続した取組であるとうかがっております。

 退職後におかれましても、子どもたちに寄せる熱い思いを持ち続ける姿勢は、現職教員にとっても大きな励みであります。
 秋田県の取り組み事例が、今後、ご参会の皆様方の全国各地での教育支援活動の充実につながる事を願っております。
 平成29年3月に告示された新学習指導要領では、「社会に開かれた教育課程」が示されており、地域の人的・物的資源を活用したり、放課後や土曜日等における社会教育の取組を活用したりする中で、その目指すところを地域社会と連携・協働しながら実現していくことが求められております。
 このため秋田県教育委員会では、「学校を核とした地域づくり」を目指し、地域と学校が相互にパートナーとして連携・協働して行う地域学校協働活動を推進しております。
 このことにより、県内各市町村では学校支援活動の他、放課後等における学習活動や体験活動等の機会を提供する「放課後子ども教室」、教員OBや大学生等の地域人材を活用し放課後や土曜日、長期休業中の学習支援を行う「あきたわくわく未来ゼミ」、チームによる家庭教育支援等、多様な活動が展開されております。こうした活動においても、多くの退職教員の皆様からご支援をいただいております。 今後とも、皆様におかれましては、在職時の豊かな経験と識見を基に、各活動へのご指導、ご助言、ご協力をいただければ幸いに存じます。
 結びに、本日ご参会の皆様におかれましては、学校・家庭・地域と連携し、令和の時代を生きる子どもたちの健やかな成長のために引き続きお力添えを下さいますようお願い申し上げますとともに、「全校公立学校退職教頭会」のますますのご発展をご祈念申し上げまして、祝辞といたします。




 秋田市教育委員会教育長挨拶 代読:教育次長

 全国各地から多数の代議員の皆様をお迎えし、全国公立学校退職教頭会代議員会秋田大会が開催されますことをお祝い申し上げますとともに、皆様を心から歓迎いたします。
 5月1日をもって元号が変わりました。令和の時代が、紛争や大きな災害のない平和な時代であることを願うばかりです。
 さて、皆様も日常的に「コンビニエンスストア」をご利用になることと思いますが、コンビニが日本に初めて登場したのは昭和の後半のことです。これが平成の時代を通して全国各地に進出・拡大し、今ではコンビニのない街角はないと言わしめるほど、国民生活に密着した存在となっております。
 しかし、昨今、小売業を席巻したコンビニも、24時間営業の見直しなど新たな動きが起こっております。ネット通販の台頭や入手不足が影響しているとのことですが、こうした業務の見直しは、コンビニ業界に限ったことではなく、セルフ化が進むガソリンスタンドをはじめ、運送業、製造業など、様々な業種において喫緊の課題となっております。
 学校も例外ではありません。 学校ではこれまで、「子供のためであれば、どんな長時間勤務もよしとする」という働き方を長年続けてまいりました。教師という職業の崇高な使命感がそうさせてきたものでありますが、このことが教員の中途退職者の増加、教育学部の志願者の激減、地方における教員不足に少なからず影響を及ぼしており、教員の多忙化は、もはや教員の健康問題にとどまらず、学校教育そのものに関わる大きな問題になっております。
 本市におきましては、中教審の答申をはじめ、文部科学省や県教育委員会が示したガイドラインをもとに、「秋田市立小中学校における多忙化防止計画」を策定し、学校閉庁日や最終退校時刻を設定するほか、部活動における休養日や活動時間のルールを定めるとともに、部活動指導員制度を導入するなど、教員の長時間勤務の是正に努めているところであります。
 しかしながら、教職員定数が据え置かれ、学習指導要領の改訂に伴い指導内容が増加する中、勤務時間を短縮することのみが目的となってしまえば、学校は混乱し、教員はますます疲弊します。真に働き方改革を進めるためには、国・県・市の取組が、学校にとって必要な業務の改善や、教員一人一人の勤務時間に対する意識改革に結びつくことが肝要と考えております。
 また、こうした取組に、地域や保護者の理解と協力は不可欠であります。もし、地域や保護者から、「教員の多忙化防止対策のせいで子供の学力が低下した」 「部活動が停滞した」などの声が噴出すれば、働き方改革は推進力を失ってしまうからです。
 本日お集まりの皆様方は、学校の要となって職員をまとめ、様々な教育活動において陣頭指揮をとるとともに家庭や地域との信頼関係の構築に努めるなど、正に多忙な毎日を過ごされた方々です。
 皆様方には、どうか、学校における働き方改革の趣旨をご理解いただき、子供たちにとっても、教員にとってもよい形で進めることができるようお力添えをいただければ幸いです。
 また、今後とも、学校・家庭・地域における役割分担や連携の在り方などについて、ご助言・ご提言を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
 結びになりましたが、本大会のご盛会と皆様方のご健勝、そして、本会のますますの発展を祈念し、あいさつといたします。

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